アジュバント
アジュバントとは、有効成分の効果と総合的な製剤性能を向上させる目的で、農薬に添加する物質のことです。
散布液の性質の一部を変化させることにより、有効成分はより効果的に標的に到達・浸透し、標的植物を保護できます。アジュバントは処方に組み入れておく方法（ビルトイン／インカン型アジュバント）と、個別に噴霧器タンクに入れて他の製品と混合する方法（タンク混合型アジュバント）があります。
アジュバントが製品性能にもたらすメリット
- 有効成分をより効率よく送達できる
- 有効成分の必要量が少なくてすむ
- 有効性スペクトルが拡大する
- 高価な有効成分や毒性の高い有効成分を安価な界面活性剤で置き換えられる
アジュバント製品を利用した結果
- 効能が強まり、収量が増える
- 化学物質による環境への負担を減らせる
- コストの削減
- 食品安全性の向上（残留量が減る）
効果はアジュバントの種類によって異なり、次の5つのプロセスを通して発現します。もっと詳しく知るには「Practical Guide to Adjuvants」のダウンロードへ。
液滴の特性と挙動を理解する
噴霧した液滴が大きすぎると、葉の表面ではじき返されて標的に到達できないおそれがあります。では、どのサイズなら適切なのでしょうか。また、噴霧液の組成は液滴の保持性や沈着性にどう影響するのでしょうか。
私たちはそれを理解するために、農業用途に適したサイズの単一の液滴を作る方法を考案しました。さらに、高性能の高速カメラと画像解析オペレーティングシステムを使用して、液滴のサイズと速度、表面特性、および噴霧液の組成（アジュバントを含む）との相互作用を観察できます。
解析の結果、表面の性質、衝突角度、液滴のサイズ、液滴の組成といったすべての因子が噴霧された滴の挙動に影響することがわかっています。動画はこの研究で可能なことを、わかりやすくまとめたものです。表面に当たる液滴の挙動や、液滴の化学／物理組成によって衝突のしかたがどう変わるかをご覧になれます。私たちはアジュバント技術についての優れた知見を持っています。当社のエキスパートが、それぞれの有効成分に最適なアジュバントの選択をお手伝いします。
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噴霧滴の形状・組成と挙動は、薬剤を標的に確実に到達させるために重要です。アジュバントは散布時のドリフトなどによる損失を減らして、散布の質を改善します。より多くの液滴が標的へ到達できるので、薬剤の使用率を減らすことができ、好ましい環境プロファイルと、費用効果に優れたソリューションを実現できます。ここで必要なアジュバントはドリフト低減補助剤／ドリフト緩和剤です。
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Atplus™ DRT-100
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Atplus™ DRT-6000
標的に到達した農薬は、葉の表面で跳ね返ったり、流れ落ちたりさせないことが大切です。散布後の保持性を高めるアジュバントは液滴の運動エネルギーを放散させ、跳ね返りや流れ落ちを少なくします。
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Atplus™ 245
散布後には液滴が標的の表面にできるだけ広く行き渡り、有効成分が均一に分布するのが理想的です。濡れ剤は液滴の表面張力を弱め、接触角を小さくして、散布液が広い面積に付着できるようにします。
しばらくたつと液滴から水分が蒸発し始め、有効成分が葉の表面に沈着します。この沈着物の形や構造によっては有効成分の性能が損なわれることがあります。たとえば、表面における有効成分の分布が不均一になったときなどです。アジュバントを使って滴からの水分蒸発をコントロールし、沈着物をより均一に分布させることができます。
