フロアブル剤(SC)
フロアブル剤(Suspension concentrate 、SC)は固体の有効成分を水に分散した製剤です。
乳剤(EC)、水和剤(粉末)(WP)などの他の処方タイプと比較すると、粉塵を出さない、使いやすい、効果が高いといったメリットがあり、広く人気を集めています。安定した処方を得るには、有効成分はあらゆる温度条件下で不溶性である必要があります。
フロアブル剤(SC)の6つのメリット
- 水ベースなので安全で、手軽に使える
- 低水溶性の有効成分の多くに適している
- 粉塵を出さない
- 引火性液体を含まない
- 有効成分の粒子径が小さい
- 生物学的増強剤としてのアジュバントをビルトイン可能
フロアブル剤(SC)の4つのデメリット
- 水溶性の有効成分とは相性が悪い
- 有効成分が部分水溶性の場合、結晶成長を生じることがある
- 長期安定性の問題
- 希釈安定性
SC向けの推奨製品
高分子分散剤を強くお勧めする理由として、分子量が大きいこと、大きい反発性バリアと多数のアンカー基を有することが挙げられます。有効成分を多量に含む、安定したフロアブル剤の処方が可能になります。当社では、それぞれ得意領域の異なる各種の分散剤をご用意しています。
Atlox™ 4917
Atlox™ 4915
Atlox™ 4913
Atlox™ PN-100
Zephrym™ PD3315
粉砕工程中に新しく生成される表面はたいてい極性がなく、短時間で凝集するので、処方には濡れ剤を含めることが大切です。凝集によって粘度が増し、時には粉砕が妨げられさえするからです。濡れ剤は空気と入れ替わって凝集を防ぎ、分散剤の作用を助けて、この問題を解決します。濡れ剤には分散を促す機能もあります。
Atlas™ G-5002L
Atlox™ 4894
SCが適切に構成されていない場合、製剤が崩壊し、固体粒子が製剤の底に沈殿することがあります。有効期限内でも安定性が損なわれ、施用時の性能が低下します。レオロジー調整剤は製剤の粘度を高め、安定性を向上させて、この問題を解消します。
Atlox Rheostrux™ 300A
ODの処方では連続油相がアジュバントの機能を持つのに対し、SCは連続相が水であるため、有効性が低いと考えられます。SCにアジュバントを加えることで、有効成分のバイオアベイラビリティは向上します。