マイクロエマルション剤(ME)
マイクロエマルション剤(Microemulsion、ME)は非常に小さいエマルション滴を含む水性の処方で、外観は透明です。
滴は通常0.01~0.05 μmときわめて小さいため、広い温度範囲にわたって熱力学的に安定です。したがって、他のエマルション系では油滴がゆっくりと合体して相分離を生じることがあるのに対し、マイクロエマルション剤(ME)ではその心配がありません。
マイクロエマルション剤(ME)の6つのメリット
- 熱力学的に安定であり、有効期間が長い
- 溶剤の濃度が低い
- 輸送・保存がしやすい
- 引火点が高く、安全に取り扱える
- 微小な液滴の中の有効成分は可溶化し、生物学的効率を高めている
- 粘度が低く、扱いやすい
マイクロエマルション剤(ME)の2つのデメリット
- 有効成分を少量しか含有できない
- 形成には高濃度の界面活性剤が必要
Formulator’s Toolbox(完全版)
お勧めのマイクロエマルジョン剤(ME)製品
アニオン性界面活性剤は、MEの製剤化において自発的にエマルションを形成させるために必要です。アニオン性乳化剤は全体に電荷を帯びているため、静電的安定性が向上します。
エマルション界面を立体的に安定させるため、低HLBと高HLBの高分子界面活性剤を併用することをお勧めします。
Tween™ 22
Tween™ 24
Atlas™ G-5002L
Atlox™ 4916
Atlox™ 4914
Atplus 310は乳化剤の単体パッケージです。これまでにない混合処方で、あらかじめ乳化剤の混合比率が決まっているので、より簡略化された手順でMEの製剤化が行えます。マイクロエマルションは通常、高濃度の電解質の存在下では形成されません。電解質によって立体安定性が損なわれ、滴と滴の間の静電反発力が遮蔽されるためです。Atplus 310はこの問題を克服し、高電解質マイクロエマルションの形成を可能にします。
Atplus™ 310
当社の広範なリン酸エステル製品シリーズは、きわめて柔軟な処方によるマイクロエマルションの製剤設計を実現します。これらの製品をサルコシン塩などの他の界面活性剤と併用すれば、困難な条件下でも安定したマイクロエマルション系を得ることができます。非イオン性界面活性剤を組み合わせる場合と同じように、標的の水系に溶解しやすいリン酸エステルと、標的の油系に溶解しやすいリン酸エステルとを選ぶことが大切です。
Multitrope™ 1214
マイクロエマルション剤(ME)の有効成分は担体溶媒に完全に溶解可能でなければなりません。有効成分が固体の場合は、まず溶剤に溶かす必要があります。クローダのSeatons Natural Oilシリーズは農薬製剤に最適な、再生可能な100%天然油です。